インフレとデフレとは?

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 ニュースなどでインフレーションやデフレーションなどの話題をよく耳にします。日銀の黒田総裁などは過度なインフレーションではなく「2.0%程度のゆるやかなインフレーション」をなどと記者会見などでは話していますが、「ゆるやか?」って意味わかんないということにはなりませんか? なんとなくは分かっていてもインフレーションとデフレーションってどっちがどっちだったかなぁと分からなくなったりしませんか? それに加えてデフレスパイラルやスタグフレーション、ハイパーインフレーション、円安円高・・・などの経済用語が次々に話題になると途中で混乱したりします。

 これら経済学用語は勉強していなければ理解できません。ここでは最近話題になっているインフレションとデフレーションや円安円高などについて簡単に分かりやすく記載しますのでよろしければご参考にしてください。

インフレ・デフレとは?

インフレ(インフレーション)→モノの値段が上がっていくこと
デフレ(デフレーション)→モノの値段が下がっていくこと

 経済学では「需要と供給バランス」といいますが、需要が供給を上回ればモノの価値が高まりますからその値段は高くなります。逆に、供給が需要を上回ればモノの価値が下がりますからその値段は下がることになります。

 現状は、ガソリンや小麦などが世界的に供給量が減っているので需要は変わらないとしても「需要と供給バランス」が崩れて値段が高くなっています。また、それに付随する商品やサービスも値段が高くなっています。需給バランスが安定するまでは値段は高くなり続けます。バランスを安定させるためには「需要を減らす」(代替となるものにする)「供給を増やす」する方法があります。

経済成長期のインフレション

 経済成長期(好景気)のときのインフレーションは購買意欲が盛んで需要力が強くモノの値段が高くなります。
 ・企業の売り上げアップ
      ↓
 ・働く従業員の給料アップ
      ↓
 ・給料アップにより購買意欲が高まる
      ↓
 ・購買意欲が高まり需要がさらに増加する

日本のデフレーション

 日本のデフレーションは1994年バブル崩壊から30年近く続く長期経済停滞タイプです。バブル崩壊当時はまだまだ世界に勝る「技術立国」でしたが、財政投資もせず景気引き締め策を継続させたために企業力は衰退の一途を辿ってしまいました。
 その結果、給料はアップすることはなく「非正規労働者」を多く働かせる社会になっています。イノベーションも望めず当時の非正規労働者は50歳代となり、超高齢化も進む現状での今後は社会福祉問題が重くのしかかることは避けることはできないのではと心配されます。
 ・企業の売り上げダウン
      ↓
 ・働く従業員の給料ダウン
      ↓
 ・給料ダウンにより購買意欲の低下
      ↓
 ・購買意欲の低下により需要が小さくなる

 経済が縮小し続けることを「デフレスパイラル」(負の連鎖)といいます。

円安と円高(対米ドル基準)

円安→円の価値が低い(対米ドル)
円高→円の価値が高い(対米ドル)
 注)対米ドルと比較して円安か円高か判断するときは基準価(妥当な円価格)を算出しなければなりません。その基準価は日本円と米ドルの流通量から算出されなければなりません。日本円の流通量が多くなると対米ドルとの基準価は下がります。つまり今より円安方向となります。
 現在はFRBが金融引き締めで米ドル流通量を減少させようとしていますので以前より「円安」方向になるのは普通です。

 インフレションとはモノの値段が高くなるので「お金の価値が下がる」ということです。これは「円安」につながる要因です。
 デフレーションとは逆にモノの値段が下がりますので「お金の価値があがる」ということになります。これは「円高」につながる要因です。

これからの日本

 日本だけで以前の「日本を取り戻す」ことは厳しいと感じています。海外との差がいろいろな面で開いています。
 日本はここ30年間は給料は全くアップしていません。むしろダウンているようです。日本国内で住むには多少のインフレーション(5%程度くらい)までは頑張れるとは思いますがさらに日本がイノベーションするとすれば10~15%くらいのインフレーションまでにはなるように思います。そうすると「年金生活」や「非正規労働者」は生活に困窮することになります。また、団塊の世代が後期高齢者をまもなく迎えますので医療費負担の問題もあります。
 これまで「先送り問題」をどのように解決するのでしょうか。

 その反面、海外(中国やシンガポール)はすでに日本の賃金を上回るくらい裕福です。20年前はそんなことはなく、日本の企業が安価で豊富な労働力を求めて中国や韓国、ベトナム、シンガポールに進出しましたが東南アジアでも日本は低賃金国になっています。
 また、「円安」の今は中国から日本に移住するための動きが強まっています。良く考えれば「円安」は日本を良くする可能性もあります。日本人にとっては「悪い円安」と言われていますが、将来的には日本人にとっても「悪くない円安」となるかもしれません。
 日本の人材は海外に負ける訳がありません。一時的には海外資本が日本に増えるかもしれませんが、イノベーション日本や金融立国日本を企てれば負けれことはないと思います。海外からの進出活用などを含めてうまく世界の中心になれればですが・・・。

 記:桃太郎

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