腸管出血性大腸菌O157

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松山 石手寺
厚生労働省HP

 京都府で「レアステーキ」食べO157に感染・死亡(9月15日)
 府は生肉の「ユッケ」(生肉)と判断、女性が「腸管出血性大腸菌O157」に感染し、死亡したと発表しました。
 8月下旬に同店が販売したレアステーキやローストビーフを食べ、これまでに死亡した女性を含めて23人が食中毒症状を訴え、うち13人からO157の感染が確認されています。販売されたレアステーキが加熱されていない生肉の「ユッケ」だったと判断。同店はユッケの販売に必要な届け出をしていなかったという。同店は営業停止後に営業を自粛しているということです。

腸管出血性大腸菌の特徴について

 腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかります。
 腸管出血性大腸菌は、菌の成分によりさらにいくつかに分類されています。代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」等が知られています。

お腹が痛くなった!

これまでの食中毒事例について

 腸管出血性大腸菌による食中毒事例については、焼肉店等の飲食店や、食肉販売業者が提供した食肉を、生や加熱不足で食べて感染する事例が多くなっています。腸管出血性大腸菌に汚染された食品が広域に流通していたために、複数の自治体で患者が発生する事例もありました。

ユッケ(生肉)や加熱不足での可能性は?

腸管出血性大腸菌による食中毒の発生状況

平成19年以降の腸管出血性大腸菌による食中毒:厚生労働省より出典

腸管出血性大腸菌の症状について

 腸管出血性大腸菌の感染では、おおよそ3~8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。さらに激しい腹痛を伴い、まもなく著しい血便となることがありますが、これが出血性大腸炎です。発熱はあっても、多くは一過性です。
 これらの症状の有る者の6~7%の人が、下痢等の初発症状の数日から2週間以内に溶血性尿毒症症侯群(HUS=急性腎不全)や脳症等の重症合併症を発症するといわれています。
 激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。

激しい腹痛と血便には注意!

腸管出血性大腸菌の治療方法について

 下痢の原因が腸管出血性大腸菌であるかどうかを確認するために、必ず医師の診察を受けましょう。
 下痢の治療の基本は、安静、水分補給、消化しやすい食事の摂取などです。これらのことに気を付け、医師の指示に従いましょう。
なお、下痢便の付着した衣服については、他の人の衣服と別に洗濯するようにしましょう。

我慢せず医師を受診しましょう!

腸管出血性大腸菌の予防方法について

 腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅しますので、食肉も加熱して食べる限り、安全です。
 特に、ハンバーグなどの挽肉を使った食品、テンダライズ処理(針状の刃を刺し通し、原形を保ったまま硬い筋や繊維を短く切断する処理)、タンブリング処理(調味液を機械的に浸透する処理)、結着肉(他の食肉の断片を結着させ成型する処理)を行った食肉は、中心部まで75℃で1分間以上加熱して食べましょう 

75℃1分間以上加熱=食品衛生法63℃30分以上加熱条件!
ブロックは表面しっかり・ひき肉などは中心まで加熱!

 腸管出血性大腸菌感染症の患者が発生した場合、医師は保健所に届出をしなければなりません。
 医師からの届出により腸管出血性大腸菌の感染症又は食中毒が発生していることを探知した保健所は、患者の過去の行動調査(喫食調査、動物との接触歴等)や、患者の家族の健康調査、利用した施設の調査、関係食品などの試験検査を行います。
 激しい腹痛と血便があった場合はすぐに医療機関を受診することが必要です。

 「食中毒予防の三原則」(菌をつけない・菌を増やさない・加熱でやっつける)はとても重要な原理原則です。特に、食肉を扱うような食肉店や一般食堂、学校給食などは基本中の基本です。腸管出血性大腸菌に限らず、ノロウィルスなどは手指の洗浄殺菌や加熱処理基準などをしっかりと守っていれば防げるものです。
 万一、感染した可能性があるときは躊躇せずに医療機関を受診するようにしてください。

 記:桃太郎

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