はじめに
会社組織では男女に限らず、様々な生い立ちや性格の違う人と仕事をしなければなりません。また、会社組織は基本的には縦社会です。上司や部下を自ら選ぶことはできません。組織の中でその会社のビジョンへ向かって定例業務や指示された業務を期限までに遂行しなければならないのが現状です。
上司、同僚、部下ともに双方が思いやりをもって業務を遂行する職場もありますが、ほとんどは自らが責任をもって最後まで業務遂行し、結果をださなければならないのが普通ですし、できなくても丁寧に教えてくれることはあまりありません。
しかし、男性と女性では基本的な生い立ちの違いや家庭の環境により業務に対する姿勢や考え方は若干異なることを会社組織や上司などは理解しなければなりません。そのため定期的なフォロアップ面談など、コミュニケーションにより相互理解と配慮することが必要だと考えます。
もちろん、バリバリ業務がしたいし、できるという本人の意向であればそれもいいし、家庭の環境であまり時間外ができないということであればしっかりと配慮しなければならないと思います。また、組織内にもそのことは周知しなければなりません。
しかし、国が推進しようとしているのが「働き方改革」で男女平等、同一労働同一賃金、女性登用の推進、最低賃金アップなど会社組織に対して、法改正や努力義務などにより強く推進を促しています。そのことは理解できますが、中小零細までにも同様な結果を求めるのはどうかとも感じています。
また、「働き方改革」という言葉は知ってても、内容も十分な理解をしていない経営者や管理職が多い。そんなところに導入しようとしても従業員のストレスだけです。厚生労働省や地域労働局、労働基準監督署はトップダウン組織ですから上からきたものを下に落とすだけです。
年1回のストレスチェック実施や産業医による高ストレス者への対応も義務化されています。それらも全て会社の責任により実施しなければなりません。
これで会社組織からハラスメント等が少なくなるのかと申し訳ないが疑問です。
この記事は厚生労働省のHPから資料はピックアップしますが、それぞれの会社の実情に合わせてかみ砕いて理解してほしいと思います。面倒だからと経営者が部下に丸投げするとそのストレスは経営者ご自身に降りかかってくることになるかもしれません。我がこととして共有化いただければ幸いです。
基本的な考え方
ハラスメント(いやがらせ)の典型は 1) パワーハラスメント 2)セクシャルハラスメント 3)モラルハラスメント 4)マタハラスメントなどなど、ハラスメントは20種類以上あるようです。
ここでは、それらの説明をひとつひとつするつもりはありません。全くもって無駄だと考えています。厚生労働省の資料引用では様々な種類のハラスメント記載がありますが、そのことを詳しく知る必要はないと思います。そのようなものがあるという程度で構いません。重要なことは自分が会社組織などでハラスメント(いやがらせ)のようなものを受けたときにどのように対応対処したらいいかということです。
この対応対処の方法がわからないので、気づかないうちに追い詰められて、心の病気になったり、会社への出社ができなくなったり、会社を辞めてしまったりということになります。うつ病などの心の病で死を選択することもないとは言えません。「うつ病」とはそれだけとても怖い病気です。
しかし、「うつ病」(自律神経失調症)や適応障害などが会社組織内でのハラスメントにより発症傾向を呈するまたは、発症した場合は、何が起こっているのかは自分では判断できませんし、判断するための心の機能はかなり衰弱しています。家族にそれを相談しても理解できないので病院にいったら。という程度のものです。そのようなときはできるだけ早くしっかりとした専門病院へ行くことをお勧めします。
さらに、会社に対してはどのように話をするか。など考えて実行しなければなりません。心の状況にもよりますが、第1は、自分を守ることです。会社や他人、ご家族も十分に話を聞いて理解してくれる人は少ないと思います。そのことが更には、ご自分を追い詰めることにもなりかねません。
会社組織への復帰や業務は病気が治ればいつでもできます。何度も書きますがまずは「自分を守ること」が最も重要なことです。「頑張って!!」は禁句です。人生は何度でもやり直しができますので、まずは、会社を休んで「ゆっくりと心を休める」ことが必要です。もし、会社組織内で疎外感を感じて心に不安を感じることがあり、緊張で十分に睡眠がとれなくなるようなことがあれば、よろしければ「お問い合わせ」ください。もちろん「匿名」で結構です。私の経験でどこまでお役に立てるかはわかりませんが、できる限り最善をつくすつもりです。
厚生労働省[ハラスメント対策の総合情報サイト](引用サイト)
・・あかるい職場応援団・・
「ハラスメントで困った」悩んでいる方
ハラスメントで悩んでいる方の、不安や苦労を和らげるための情報をまとめました。ハラスメントは我慢していても解決しません。
逆にエスカレートする可能性もあります。ひとりで悩まず、上司や同僚、あるいは社内外の窓口に相談しましょう。
一般的には上記のように推奨していますが、ほとんどの方が泣き寝入りしているのが事実です。上司や同僚、あるいは社内外の窓口に相談することのハードルの高さを考慮していません。
逆に、簡単に相談できるのであればハラスメントに関する法制化などの重要性は小さいと感じます。
皆さんは、上司や同僚に相談したり、社内コンプライアンス委員会などに相談できますか? 「目安箱」などに投稿できますか?
簡単にできないので悩んで、我慢して、病気になったりするのです。会社組織は職場内で「ハラスメントだ!!」と大声で言える環境を創る責任があります。まだ、「面倒くさい・・・」の環境ではないですか?
どんなことをされたのか記録する
ハラスメント行為をされた場合は、いつ・どこで・誰が・何を・どのように(5W1H)したのかを記録しましょう。後々の事実確認などで有効なので、メモや録音など最適な方法で記録を残すことがとても重要です。
私の推奨は、録音です。スマホでもできるし、ワンタッチで録音を開始するレコーダーもあります。高価ではありません。
また、録音の場合はPCに時系列に記録して置くこともできますし、その時の背景や内容を箇条書きにメモっておけばそれで充分です。
何よりも、いざという時の心の支えになります。
周囲に相談する
ハラスメントは我慢していても解決しません。それどころかエスカレートする可能性があります。ひとりで悩まず、まず同僚や上司に相談しましょう。周りの協力を得ることで、ハラスメントを行う本人が自らの行為に気づく場合があります。
私は、周囲への相談は難しいと考えます。相談された方がそれだけの経験と知識、地位があり問題を解決できる方であり、信頼ができるのであれば良いとは考えます。要は、周囲の方も組織内のパワーバランスの中にいる訳ですから、相談した結果、更に追い込まれる場合もあります。簡単に相談することも良し悪しです。
会社の窓口や人事担当者に相談する
上司に相談できない場合は、人事部や社内相談窓口に相談しましょう。会社等の組織は、相談者が不利益にならないよう、プライバシーの確保を配慮することを求められています。
この方法はできるのであれば「やるべし」です。ただし、勇気と覚悟が必要です。しかし、この高いハードルを越えなければその後は自信のない人生を過ごさなければならなくなるかもしれませんね。
このことであなたに不利益になることはありません。
外部の相談窓口に相談する
社内に相談窓口がない場合や、社内では解決できない場合は、外部の相談窓口に相談しましょう。全国の労働局・労働基準監督署にある総合労働相談コーナーは、無料で相談を受け付けており、電話でも相談できます。
知っておきたいハラスメント対策
社内相談窓口や人事部に相談した場合の一般的な流れ
一般的に、会社はコンプライアンスに関して規程を制定し、コンプライアンス委員会など社内窓口や事務局を定めています。相談窓口には人事部等の管理監督職以上や顧問弁護士を選任していることがほとんどです。もし、そうでない会社組織に在職されているとすれば個人で注意することが必要です。
窓口に相談したら、事務局が事実関係の聴き取りをします。そして本人の同意を得た上で、行為者に話を聴きます。必要に応じて、同僚に話を聴く場合もあります。
ハラスメント内容によっては、本人の同意を得れない場合がほとんどです。同意する必要はありません。本人の匿名を悟られることなく、事実関係を調査することが事務局の重要な役割です。
ハラスメントを受けた本人が勇気を振り絞って窓口に相談したことを考えると本人の同意を得て行為者に話を聞くことは避けるのがとても大切な配慮だと考えます。
そして、ハラスメントに相当する事実があると判断される場合には、行為者に懲戒処分が下されたり、配置転換や行為者による謝罪などが行われたりすることがあります。ハラスメントに相当する事実がないと判断される場合であっても、本人から訴えがあった問題の解消に向けた話し合いが行われます。本人がメンタル不調をきたしている場合には、産業医などによるメンタルケアも勧められます。
厚生労働省の内容では、青線のようにさらっと記載されています。流れはそうですが、行為者たるものがハラスメントを意識していないことがほとんどであることを前提にされていません。ということは懲戒処分や配置転換、謝罪や話し合いが根本的な解決になるのかどうかを事務局は見極めなければなりません。ましてや、本人がメンタル不調をきたしている場合に産業医に任せていいの? と思います。
確実に言えば、ハラスメント内容によっては、行為者を根っこから除去しなければならないと思います。そうでないと、のど元過ぎればまた起こすことになります。
社内に相談窓口がない
もし、会社内に人事部やハラスメントの相談窓口がない場合は、社外の相談窓口に相談しましょう。相談機関としては、専門の相談員が面談あるいは電話で相談にのってくれる「労働局の総合労働相談コーナー」をはじめ、都道府県労働委員会や法テラス、みんなの人権110番、かいけつサポートなどの機関があります。
うつ症状などで体調不良である
ハラスメントによって体調や精神の健康に不調がでた場合は、できるだけ速やかに専門医の診断を受けましょう。会社が契約をしている医療機関があれば、紹介してもらってもよいでしょう。また企業が産業医を選任している場合は、その産業医に相談することをお勧めします。
また、ポータルサイト「こころの耳」ではメンタルヘルスの不調についての相談先を紹介しています。
会社組織でハラスメント行為に気づいた
見て見ぬふりをせず、信頼できる上司や人事担当、会社組織の相談窓口に相談しましょう。他人ごとではなく、自らにも降りかかってくる可能性もあります。
できるだけ多くの方から相談があることがその人を助けることになります。見て見ぬふり、関わりたくないはハラスメントを認めていることと同じことになります。
会社に相談すると不利益な対応を受けそうで不安
事業主は、相談したこと等を理由にして不利益な取扱いをしてはならない旨を定め、周知・啓発することが法律で義務付けられています。
ハラスメントの類型と種類
- 身体的な攻撃
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
動画で学ぶハラスメント
あなたの会社組織で、こんなシーンを見かけませんか?
成績不振社員への叱咤激励シーン
派遣社員に対する差別的なシーン
先輩から後輩への無視・いじめシーン
「ハラスメントって言われた!」管理職の方
ハラスメントって言われた! ハラスメントは、自分はそう思っていなくても業務の適正な範囲を超えているケースもあります。日頃の業務のあり方を確認してみましょう。
業務遂行能力を有する管理職は自己との比較で過去の自分と比較して業務指示する場合がほとんどです。また、部下との人間関係は業務を通じたものであり、相互に内心を理解していることはありません。
さらには、その場面によっても受け止め方が大きく異なります。ほかの業務を優先しなければならない場合や業務に集中しているときなど突然、今すぐに優先順位を変更されるとリズム感が狂ったりしてイラっとするときがあります。 業務はリズムですから頭の中を一旦クリアにしなければならなく、集中感を狂わされることもあります。
業務遂行能力が低い管理職にありがちですが、上から指示されたことをそのまま部下に指示する場合が多く、常に上司の顔色を伺うタイプの管理職がやっかいでそれによく該当します。
あなたは、そんな管理職ではありませんか? 職場内の人間関係を悪化させているにもかかわらず、たぶん気づいていないのではありませんか?
そのような相互理解できない鈍感な管理職がパワーハラスメントやセクシャルハラスメントなどのいやがらせを無意識でやってしまうことがほとんどですし、注意されても理解できないのが現実です。
「相互尊重」コミュニケーション
職場でのコミュニケーション、気持ちよく図る配慮に努力していますか?
言いたいことを、過度に遠慮することなく声に出せ、相手の話を肩肘張らずに聴くことができるコミュニケーション能力があると、業務がスムーズに進み職場チームワーク力が向上し、業務分担と生産性がすこぶる向上します。
協調的とは、遠慮するとか、相手に合わせ過ぎることとは違います。相手の知っている単語が使える、相手の興味のある角度から話ができる、すなわち、一歩相手に近づいて、聞いてもらえる話ができるということです。どんなに活舌(かつぜつ)良く、理路整然と話しているつもりでも、相手の知らない単語や相手の興味から外れた話では届きません。すがすがしい自己主張は、「相手に聞いてもらえて、理解されて、アクションにつながる」のです。
したいことはしたいと言ってみよう、したくないことはしたくないと言ってみよう、ただしそれが相手を傷つけたり、不要にその場を乱したりしない限りはごく当たり前で簡単なことのようですが、これが、実際の業務の場面で、目の前に具体的な誰かが現れるとなかなか難しいものです。
「こんなこと言ったら悪いかなぁ」と遠慮して、遠回りに言って、誤解を招いたり、「相手のため!」と思って進言したつもりが、何だか、自分勝手な印象になってしまったり。毎日、小さな後悔(ストレス)を積み重ねていないでしょうか。
コミュニケーションのとり方を振り返ってみましょう。コミュニケーションのタイプには、大きく分けて3つあります。ついつい偏りがちな、相手否定(攻撃型)と自分否定(受身型)の2つと、発展的で協調的な、相互尊重(積極的)のコミュニケーションです。 3つのタイプを比較してみましょう。(下表)
コミュニケーションのスキルを磨いて、ミーティングなどでの発言力を増し、上司や後輩にきちんとモノが頼め、時にはNOも言える。お互いがきちんと伝えあえて、聞きあえれば、仕事の成果は足し算で終わらずに、掛け算の結果を生みだします・・そんな、仕事の実践力アップを目指す職場環境を創る努力が必要です。
それをするのは管理監督職である「あなた!」です。
自分も相手にも“Win-Win”で接する
必要以上に強く言い過ぎて後悔したり、言いたいことがあるのに言えなかったり、「もう少しどうにかならないか」と思っている人が少なくありません。
そもそも、自分の考えていることと相手の考えていることが同じであるはずはありません。だから相互理解をすることに努力してもなることはありません。要は、他者に尊敬される管理職たるものにならなければそうでない上司の指導・指示を素直に聞くはずはありません。
部下は上司を常に見ていますし、あなたが無能な管理職であったとすれば不幸のひと言です。
しかし、管理職であれば業務を依頼することは上に、下に、時には外に対して、色々な場面で必要です。きちんと頼みごとができないとストレスがたまります。言い方を少し工夫することで相手からの理解がもらえることもあります。
それでは管理職としては長く続くとは思いませんが。
強過ぎる例と弱過ぎる例で比較(できない例)
メールの送り方も大切です。
相互尊重な主張のできる人のモノの頼み方は、「△△に必要なので、○月×日までに○○して頂けますか?難しい場合は担当までご連絡をお願いします。」-仕事の場合はいつまでに何を何のためにしなければならないのかを明示してもらわないと、頼まれた相手が困惑します。言い方も、依頼形にすることで柔らかい印象になります。遠慮はしていないけれど、配慮があるので、相手が動きやすくなります。
「正しい自己主張」は「本気のWin-Win」の発想とかなり密接にリンクしています。Win-Winは認知度も高く、かなり市民権を得てきた言葉ですが、誤解をしている人も多いのではないでしょうか。
業務を頼む時には、「本気のWin-Win」を考えましょう。Winは、必ずしも相手にベストな答を渡す、何かメリットを渡す、といったプラスの要素だけを指す訳ではありません。相手のロスを少しでも小さくする、デメリットを軽減することも含めてのWinです。 相手のWinが何か、本気で相手に興味と関心を示し、自分勝手な解釈で終わらせずに、相手に確認しながら、双方向で話しを進めることが大切です。
そのためには思い込みを取り除くことが必要です。「こんなこと頼んだら悪いんじゃないか」「迷惑じゃないか」とブレーキを踏み過ぎてもいけないし、「あいつがやるのが当たり前」「やって当然」とアクセルの踏み過ぎもよくありません。
きちんとモノを頼むための「DESI」の4ステップ
最後の最後まで手を抜いてはいけません。相手の答に対する反応にも気を配ります。相手が「YES」と言ってくれたら、「ありがとう。助かります」と、相手に「YESと言って良かったな」と思ってもらうようにプラスひと言。もし相手が「NO」と言った場合は、こここそが頑張りどころ。NOと言われた時ほどすがすがしいクロージングで締めくくりましょう。「お時間ありがとうございます。今回は準備不足でしたが、またトライしてみます」と、必ず次につながるひと言で結びます。 これでまた、次にモノを頼む時のハードルがぐっと下がるのです。仕事は一度きりではないので、「NO」の場合こそ、良い印象で次につなげましょう。
上司や後輩にきちんとモノが頼め、時にはNO も言える。お互いがきちんと伝えあえて、聞きあえれば、仕事の成果は足し算で終わらずに、掛け算の結果を生みだします・・そんな、仕事の実践力アップを目指しましょう。
コミュニケーション-「フィードバック」
「相手にフィードバックする」場面での伝え方について考えてみます。部下や後輩に対してのフィードバックはもちろん、時には上司や先輩に対して、あるいはお客様や取引業者に対しても、フィードバックすることが求められます。適切でタイムリーなフィードバックは、自分自身の存在感を高める為にも、身に付けておきたい大切なスキルの1つです。
このフィードバックができる管理職は少数派である。上からでも下からでもなく、同じ目線で相手の気持ち(心の中)を想像、想定しながら話題からモチベーションを高めるテクニックが必要であり、重要なポイントである。心に刺さらないフィードバックは意味をなさず、逆効果(管理職としての威厳喪失)となると考えましょう。
相互尊重コミュニケーションのフィードバックの原則は、「相手の言動、行動に対して事実ベースで具体的に」ということです。「相手の言動、行動」、すなわち、その相手が本気で変えようと思えば変えられることにのみフィードバックし、変えようと思っても変えられないことには言及しない。これが守るべきルールです。
それはそうだが、すでに述べたが「心を許していない相手」は、簡単に開胸して話をしてくれるとも思わず、さまざまなパターンがあり個々の個性を知っている範囲でコミュニケすることが重要であり、一回で何かできるという利己的な理想はありえないと考えた方がよいと考えます。
「だらしないんだよ、お前は」と言われても直しようがありません。「会議に5分遅れると他の皆の時間を無駄にすることになるので、次の会議からは、開始時間の5分前には来て下さい」。こうしたらどうでしょう。性格やスタイルなど、本人の努力で直せないことを言うのはルール違反だと思います。具体的な行動についてのフィードバックであれば、受け入れることが可能になります。当たり前のことのようですが、職場では逆転現象を良く見かけます。言ってはいけないこと、言ってもしょうがないことをついつい言ってしまったり、言ってくれれば直せることなのに、曖昧に、あるいは遠回りに言われて却って傷つく。そんな経験はありませんか。
このことには賛成である。そのためには、一回遅れたからとフィードバックをするのではなく、少なくとも常習犯的な傾向が見られたころにピシッとやるべきでしょう。
フィードバックすることを難しいものとしてしまっている理由の1つに、「相手から拒否されたらどうしよう」「受け入れられなかったら・・・」といった心配が挙げられます。フィードバックを受け入れるかどうかは、言われた相手が判断すること。無理に押し付けようとしなければ、肩の力を抜いて言えるはずです。事実ベースで、シンプルに、遠回りせずに、そして判断は相手に任せます。
AIDの法則
プラスのフィードバック(褒める)ももちろん大切ですが、更に大切で且つ難しいのが、マイナスのフィードバック(注意する・叱る)。言いにくいことを伝える時のポイントを確認しましょう。
- もう一度、自分が何を言いたいのか、そしてそれは何故なのか確認する
- 相手の、どの具体的行動について批判したいのか明確にする
- 適切な時と場所を選ぶ
- まわりくどい言い方や曖昧な言い方を避けて、直接的で具体的な言葉を使う
- 具体的行動に対してのみ批判して、その人の個性や性格といった個人的要素には踏み込まない
- 相手には自分の批判を受け入れるか受け入れないか、判断する自由をもっていることを認めておく
- 本気で、まじめに、誠意をもって伝える
仕事の上でのフィードバックですから、「あなたの為に」とか「君の性格を直してあげたいから」といった理由ではなく、「残業を減らす為に」「お客様満足度を下げないように」と、仕事直結の理由で話します。このほうが伝える側も言いやすいし、聞く側も素直に受け止められます。「僭越ですが」とか「気に障ったらごめん」などのエクスキューズの言葉も省いて、親身に、そしてストレートに伝えましょう。
迷惑行動には「NO」と言うこと
必要な時には、余計な罪悪感なく「NO」が言える。日常の仕事を正しくスムーズに進める為にも、自分自身を正しく尊重する為にも、大切なことです。←このことはとても重要なことで、「NO」と言う勇気をしっかりもつことで職場組織は変わります。
必要ではあるけれど、実際には、これが難しいと苦手意識を持っている方が少なくありません。「NOと言ったら悪いんじゃないか」「NOと言ったら嫌われるんじゃないか」…強過ぎる思い込みからブレーキを踏むことも、NOを言いづらくしている原因の一つではないでしょうか。受身的過ぎたり、時に、攻撃的になり過ぎたり。バランスが難しいと考えていませんか。
他部署から無理な協力依頼。こちらも忙しくて、100%のYESを渡すことができない。こんな場面での三者の違いを考えてみましょう。
攻撃的な対応:「無理ですよ。時間も予算もないし。第一、人がいません。」
頼んだ側が受ける印象は、「冷たい」「感じが悪い」。二度と頼みたくないと思うでしょうし、逆にそんな相手から頼まれた時には、気持ちよく手伝えないかもしれません。部署を超えた協力体制は期待できなくなり、長い目、広い視点でのデメリットは大きくなります。次につながっていなし、できない理由を言っているようで理由になっていない。
受身的な対応:「お手伝いしたい気持ちはあるにはあるんですが。私一人では決められないので、チームで相談してみますが…。難しいかもしれませんが。あ、でも、何とかはしたいのですが…。」
印象は、「で、どっちなの?」「はっきりしない」といったところでしょうか。手伝ってもらえるのかもらえないのか判断がつかないので、仕事上の迷惑度という意味ではこちらの方が大きいのではないでしょうか。自分一人で決められないとしても、少なくとも、いつ、誰が答えるかの明示は必要です。きちんとNOと言うために
きちんと「NO」と言うために
- Win-Winの姿勢があるか?
面倒だから、相手のことが好きではないから…なんていう理由の「NO」になっていませんか? - 相手目線の理由がありますか?
- 代替案が示せますか?
- 不必要な言い訳に終始していませんか?
Win-Win目線で100%引き受けられない場合
条件提示
相手の要求に100%応えられないとしても、80%なら、あるいは、70%ならできるということを伝えます。「7人は出せないけど、3人なら」「うちは予算が厳しいのでコストをチャージして良ければ人は出せます」など。その条件では、相手は「だったら結構です」となるかもしれませんが、それはそれでやむを得ません。ポイントは、出し惜しみをしないということ。どうせ引き上げられるから、低めの設定から提示しよう…なんて姑息なことは考えず、現状で出し得るベストオファーを伝えましょう。
代替案の提示
どうにも忙しくて、依頼されたことに直接手は貸せないけれど、他のところで手伝えないでしょうか。「ちょうど良い参考資料があるからお貸しします」「同じようなプロジェクトをまとめたファイルがあります」といったほかに対応できることを伝えましょう。
次の機会を明示
今回は無理でも、仕事は一度限りではないので、次につなげたいという意志を伝えましょう。但し、「そのうち」「いつか」といった、単なる社交辞令にならないように。「月初はたいてい忙しいので、何かあったら月中をねらってみて下さい」「シフト勤務ですので、今日明日では対応不可能ですが、10日前に言って頂ければ」と、本気で次を考えていることを伝えましょう。
他のリソースを紹介
自分よりもそのことに詳しい人、多少なりとも手の空いていそうな部署、使い勝手のよい外部業者など、相手の力になりそうなリソースを紹介できないか考えてみましょう。タライ回しではなく、あくまで、「紹介」です。
半端な「YES」を渡すことのデメリット
できれば、1~4のいずれかの対応をとりたいですが、どれも無理となったら、最後はきちんと断ることが必要です。「ぜひお手伝いしたいのですが、あいにく、こちらのプロジェクトの締め切りも3日後にせまっていて厳しい状況です。半端にお引き受けすると、納期間近になってかえってご迷惑をおかけすることになりそうです。残念ですが、今回はお断りした方が混乱が少ないと思います」
大切な点は、シンプルに、丁寧に、ということです。
自分目線の半端な遠慮はかえって相手のデメリットが大きくなってしまいます。相手の次の行動を考えた、正しい配慮で、「次につながる」「信頼関係を深める」NOを実践しましょう。
部下を育てる・後輩を指導する
職場のコミュニケーションの中でも、特に、多くの人が難しいと考えるのが、上司対部下、先輩対後輩のコミュニケーションではないでしょうか。叱る側に「そんなつもりは」なかったとしても、叱られる側の受け止め方は随分違います。「よかれ」と思ったことが正しく伝わらないこともあります。知らずにルール違反な言い方をしてしまっていることも少なくありません。 だからと言って、何も言わないでいればかえって両者の関係がよろしくない状況になり、仕事のパフォーマンスにまで影響を及ぼしかねません。
「相互尊重」のコミュニケーションで、チームの力が最大に発揮されるマネジメントを目指しましょう。部下からも学べるし、部下に対して押しつけることも遠慮することもなくストレートにフィードバックできる。互いの良いところを掛け合わせることでチームとしての掛け算の成果を高めます。
相互尊重を実践する為の、上司の5つのスキルをご紹介しましょう。一つひとつは特別なことでも、難しすぎることでもありません。すぐに実践できて、効果を実感できると思います。大事なのは、それを常に意識して、実践してみることです。
これには、経験が必要です。失敗もあります。十人十色ですから。
相互尊重を実践する、上司の5つのスキル
スキル1 事実ベースで100%褒めて、一緒に喜ぶ
- 部下が成果を上げた時には、具体的事実で、掛け値なしで褒める
「そこそこ」「わりと」「それなりに」といった余計な形容詞は除いて、できたことはできたと100%褒めましょう。「データの取り方が顧客視点で分かりやすかったよ」と具体的事実で伝えること。「頑張ったね」「ラッキーだったな」では褒めたことになりません。
成功を上司が一緒に喜んでくれる、というのも部下にとっては嬉しいものです。事実で褒めることは大切ですが、そこにひと言、「すごく嬉しい」「私も鼻が高かった」「感動したよ」と、自分の気持ちを言葉にして伝えましょう。
「ほめ殺し」のような態度や言葉遣いは全くの逆効果ですので、褒める場合は心の中から本気でほめる気持ちがなければなりません。
スキル2 事実で叱り、解決策は情報共有
「~したためしがない」「全然なってない」「ミスが多すぎなんだよ」と過大に叱っても、あるいは、「大したことじゃない」「何とかなるよ」と過少に叱ってもいけません。「納期3日遅れだよ」「1枚のレポートにミスが4つあったよ」と具体的な事実を取り上げて指摘します。同じようですが、「納期に3日も遅れてどういうつもりなんだよ」では責めていることになります。
仕事はチームワーク。その中で起きたミスやトラブルは隠さないようにします。まずは本人に注意し、解決策に至ったら、朝礼や定例ミーテイングなどで、できるだけ早く情報共有しましょう。「ミスしたことをみんなに話すと傷つけるんじゃないか」これは正しい気遣いとは言えないのではないでしょうか。失敗をバラすのではなく、チームの今後の為にその解決策を共有することが目的です。
スキル3 メンツを気にせず部下に謝る
小さなことでも、自分のミスに気付いたら「すぐに、取り繕わずに、短く」謝ることが鉄則です。取り繕っても部下にはわかります。はぐらかすと、かえって話がこじれます。長々謝ると、言い訳がましく聞こえてしまうもの。すぐに謝らないと、ますます謝りにくくなります。
自分自身が「ミスをするのはダメな人間」と思っていないでしょうか。「上司たるもの何でも部下より秀でていなければいけない」と思いこんでいませんか。ミスを謝れるということは、正しい自信の裏返しでもあります。上司であるあなたが自分の間違いを素直に認めれば、部下もミスや失敗を報告しやすくなります。
スキル4 権限委譲する
ちょっと高めの任務を渡してチャレンジさせることは、人材育成の方法として有効な方法の一つです。有効ですが、間違えた委譲の仕方では部下をつぶしたり、やる気を失わせることもあります。仕事を渡す時は、なぜそれを頼むのか、そのねらいや理由を最初にきちんと伝えます。そして仕事を渡したら、あとは口を出さずに見ていてあげることが大切です。部下の仕事ぶりを見ていると、心配になることはありますが、そこは覚悟が必要。「信じて任せてくれている」と感じてもらうことが、その仕事を成功させ、部下に成長してもらう一歩です。
途中であれこれ口出しをしたり、なかなか大きな仕事を任せられないのは、あなたがどこかで、「こいつにはまだ早い」「今さらこの人にチャンスを渡しても、もう遅い」と思っているからかもしれません。「まだ早い」と思っているうちに、「もう遅い」になってしまいます。
スキル5 逆「ホウレンソウ」する
「ホウレンソウ」は社会人の基本。新入社員研修でも必ず教わることですが、上司であるあなたから、部下やチームにホウレンソウしているでしょうか。部下の仕事がどんな結果につながったのか、役員会での結果を報告したり、クライアントの反応をこまめに伝えたり。ちょっとしたことでも、その都度きちんと上司がホウレンソウしてくれると部下も仕事がしやすくなります。「うちの部下は報告が遅いんですよ」「もっと早く相談しろよ」と、部下からのホウレンソウに対して不満を持っている上司はたくさんいますが、実際は、上司が部下に対して報告や相談していないことが多いものです。“逆”ホウレンソウしてみましょう。
攻撃的過ぎる上司の下で育った部下は、怒られるのが怖くて失敗を隠したり、報告をねつ造してしまうことにつながります。受身的過ぎる上司の下で育った部下は、上司の反応が少ないのでやる気を失ったり、上司をなめてかかります。きちんとしたコミュニケーションをとって育成することは手間ひまかかるようですが、結果、自立した部下育成につながりやすくなります。上司としての自分の目的達成の為にも部下には相互尊重の態度で対応しましょう。
“相互尊重”のコミュニケーション
難しいと思う場面にも、臆せず声を出しましょう。
相互尊重コミュニケーションの基本は、「自分の感じた意見をしっかりと言葉で相手に伝えること」です。そうは言っても、仕事上のコミュニケーションですから、相手と自分では立場も専門性も利害も異なります。ただ思った事をそのまま口に出せば良いという訳ではありません。正しく自己主張したいけれど、いざ言おうと思うと遠慮し過ぎてしまったり、遠回りに言ってかえって印象が悪くなる、あるいは思ったより強く言い過ぎた。こんな経験はないでしょうか。
挙句の果てに、「難しいから黙っておこう」では、後悔が残ったり、結果、仕事が前に進まなくなってしまいます。普段の自分の「話し方(伝え方)」はどうだったか、振り返ってみましょう。
場面、目的別の良い例、上手くない例
周りからの評価が変わる
どんな用件で、どれくらい時間が欲しいのか、話があるときは、まず初めに伝えましょう。言われた側が判断しやすくなる配慮があるので、結果、相手から「YES」がもらいやすくなります。
苦手、嫌い、分からないといったマイナス表現は、別角度から捉えて言葉を選びます。同じ状況でも随分と印象が変わります。
信頼される人・信頼が得られない人
話の切り出しは、遠慮からくる遠回りな前置きをなくし、シンプルにかつストレートに伝えます。気に掛けたいのは、相手にこちらの話を聞く理由を示すことです。「つまらないものですが…」では、聞く気が失せてしまいます。
相手が話を聞きたくなる理由を伝える為には、日頃からその人の優先順位を把握しておくことが大切です。クオリティ重視の人なのか、コストカットが命題なのか。本気で相手に目線が向いていれば、何を冒頭に持ってくれば良いかはすぐに見つかります。「厳しいのは承知の上ですが」「お忙しいところ申し訳ありませんが」といった正しいクッション言葉と、「~して頂けませんか」という依頼形を使うことで、より伝わりやすくなります。自分の為の言い訳ではなく、相手の為のクッション言葉を用意しましょう。
上手にNOが言えると、逆に信頼される
反対意見を述べる時は、賛成・共感できるところを具体的に伝えて、部分的に異なる意見を持っているところを懸念事項として表明し、自分自身のアイデアを提案します。「全体的にはOKなんだけど…」「基本的には賛成なんだけど…」といった曖昧な表現ではなく、どの点に賛成なのかを具体的に伝えることで、相手は「受け止められた」という実感がわきます。
感謝や褒め言葉こそ事実ベースで伝える
上手ですね、さすがですね、は、相手を見ていなくても、聞いていなくても言える褒め言葉です。聞いた相手は悪い気はしなくても、心に残る褒め言葉にはなりません。褒める際のポイントは、
の3点です。
自分の気持ちに近い言葉を声に出す。この単純明快なことが、実際は簡単ではありません。特に、仕事の場では上下関係や利害関係が邪魔して、思ったとおりのことが言えないことも多々あります。そんな悩みを克服する為に、まずは、日常の簡単な場面で自主練することをお勧めします。いきなりストレスのかかる難しい場面で自分の気持ちに近い言葉をストレートに声を出すのはハードルが高過ぎます。
試しに、「すみません」を場面に合わせて、「ありがとう」「助かりました」「恐れ入ります」「申し訳ありません」「ごめんなさい」などの、自分の気持ちに近い言葉に変えてみることから始めてみることです。
相互尊重のコミュニケーション、すなわち、発展的で協調的な正しい自己主張。自分が肩の力を抜いて素直にストレートに表現できると、相手も聴きやすいものです。「こんなこと言ってはいけない」「言っても無駄」などと思いこまずに、逆に、「絶対言わなきゃ」「間違ってる!」などと決めつけずに、相手の立場、思いも尊重したコミュニケーションを目指しましょう。
ヒントとしては、自分の言葉にする内容の「傾向と対策」を事前にQ&Aとしてノートやメモ帳で準備しておくことです。
例えば、スピーチするときなどは事前に内容を決めて練習しますが、それと同じです。準備しておくことでスムースな言葉でのコミュニケーションができます。なんの準備もなく相互コミュニケーションを完成させることは誰しもがほとんど無理だと思います。
動画で学ぶハラスメント[管理職のために]
不真面目な社員への指導の仕方
パワハラにならない叱り方
アウト!レベル・セーフレベル・上級レベル
部下からパワハラ被害を相談された課長の対応
上司からのパワハラ
- 悪い例・・・(1)
- 悪い例・・・(2)
「ハラスメント」に関する問題はいろいろと勉強したからと答えがあるものではありません。しかし、勉強をするという「知識」は最低限必要です。経験もなく、知識もないのにハラスメントの相談に応対することは状況を悪化させ、最終的には致命的な結末を招く可能性があります。そうすると責任を取ることもできなくなります。
少なくとも「知識」は十分に勉強していただきたいと思いますし、対応は経験のある人事部や総務部の事務局担当者と同席して行うことがMAST条件です。
ハラスメント対応には、バランスのある公平平等に考察できる思考力を有する経験者でなければなりませんし、上司や委員会への報告には「事実」に基づいた報告ができなければなりません。
上記に記載している厚生労働省の「明るい職場の応援団」にはもっと多くの対処方法や事例などが記載されています。私のこのページだけではとても記載することができませんのでご興味がありましたらURLで検索して見てください。
もし、私がお役立ちできるようなことがありましたら「お問い合わせ」へアクセスをお願いいたします。一生懸命にできる限りご一緒に考えたいと思います。
記:桃太郎
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