心的外傷後ストレス障害(PTSD)

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 心的外傷後ストレス障害post-traumatic stress disorder、PTSD)は、命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害です。
 心的外傷(トラウマ)には事故・災害時の「急性トラウマ」と、児童虐待など繰り返し加害される「慢性トラウマ」があるようです。

PTSDのサインや症状

 今あなたがつらい思いをしているのなら、一人でがまんせず、精神科を受診するか、保健所などの相談窓口を通じて、信頼できる精神科やカウンセラーを紹介して貰うのも良いでしょう。思い切って相談窓口のある施設に連絡をとってみてください。

突然、つらい記憶がよみがえる

突然、恐怖、苦痛、怒り、哀しみ、無力感などの記憶が・・・!

 事件や事故のことなどすっかり忘れたつもりでいても、ふとした時に、つらい体験の時に味わった感情がよみがえります。
 それは恐怖だけでなく、苦痛、怒り、哀しみ、無力感などいろいろな感情が混じった記憶です。
 周りからみると、何もないのに突然感情が不安定になり、取り乱したり涙ぐんだり怒ったりするので、理解に苦しむことになります。
 また、同じ悪夢を繰り返し見ることもPTSDによくある症状です。

常に神経が張りつめている

緊張が続き、精神が安定しない日々が続く!

 つらい記憶がよみがえっていない時でも緊張が続き、常にイライラしている、ささいなことで驚きやすい、警戒心が極端に強くなる、ぐっすり眠れない、などの過敏な状態が続くようになりま

記憶を呼び起こす状況や場面を避ける

日常生活や社会生活が送れなくなってくる!

 日常の中につらい記憶を思い出すきっかけがたくさん潜んでいます。多くのPTSD患者さんは何度も記憶を呼び起こすうちに、そうしたきっかけを避けるようになります。
 どんなことがきっかけになるかは本人でなくてはわからず、本人も意識できないままでいることもあります。
 意識できない場合でも、自分で気づかないうちにそうした状況をさけるようになるのです。 その結果、行動が制限されて通常の日常生活・社会生活が送れなくなることも少なくありません。

感覚が麻痺する

愛情や優しさを感じられなくなる!

 つらい記憶に苦しむことを避けるために、感情や感覚が麻痺することもあります。そのために家族や友人に対してこれまで持っていたような愛情や優しさなどを感じられなくなったり、人に心を許すこともできなくなりがちです。
これは、つらい経験の記憶から「こころを守るための自然の反応」なのです。

いつまでも症状が続く

症状が続いたら悩まずに相談しよう!

 こうした症状は、つらく怖い経験の直後であればほとんどの人に現れるものです。ですので、事件や事故から一ヶ月くらいの間は様子をみて、自然の回復を待ってみます。
 数ヶ月たっても同じような症状が続いたり、悪化する傾向がみられたら、PTSDの可能性を考えて勇気をもって保健所や専門医などに相談してみましょう。

PTSDの治療

トラウマ治療は焦らず時間をかけることが大切です!

 自然の回復力を引き出すことと、苦しい症状を軽減することがPTSD治療の基本となります。
 PTSD治療の上で最も効果があるのは、トラウマを扱う認知行動療法です。代表的なものに持続エクスポージャー療法(PE)、認知処理療法(CPT)、眼球運動脱感作療法(EMDR)があります。
 こうした特殊な治療を受けることができなくても、信頼できる先生によく話しを聞いて理解して貰えたと感じるだけでも、ある程度は良くなる場合があります。
 トラウマというデリケートな問題を扱う場合、特定の治療法より、治療者の能力や、相性に左右される部分もあります。特殊な技法を求めるよりもまず、自分の話をよく聞いてくれる、信頼のできる医師や公認心理師をみつけることが大切です。
 またPTSDには「抗うつ薬」なども有効です。うつ病や不安症の症状を併発しているときには、治療によりかなり楽になることがあります。

PTSDは誰もがなり得る病気

 心的外傷後ストレス障害(PTDS)は、「強い精神的衝撃体験の記憶」が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする精神的な病気です。PTSDは決して珍しいものではなく、精神医療においては「ありふれた」病気のひとつであると言えます。
 身近な例としては、人前で話をするときに「緊張」して目の前が真っ白になり話せなくなったことが強いストレスとなったり、公式な書面に住所や氏名を自筆で記載するときに「緊張」して手が震えて書けなかったりしたことが強いストレスとなり「トラウマ」になることで同じような場面でより「緊張」することで自失となり「うつ病」などになることも普通にあります。
 そのようなときは、そのことに立ち向かうのではなく、「誰でも大なり小なりあること!!」として自分の心に受け入れることが大切ですし、心が軽くなる手段だと思います。人前で話ができなかったり、手が震えて書けなくても他人はそれほど気にしていないと思います。
 PTSDには「社会生活に支障をきたす強弱」がありますのでその程度に応じて信頼できる窓口や専門家に相談しましょう。

 記:桃太郎

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